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中原中也記念館は、彼の生まれた地である山口市湯田温泉に置かれています。旧国道9号線に面した場所で周囲を大きな温泉旅館が取り囲み、幕末の長州藩にあって藩庁が置かれていたという歴史的な場所です。そちらのほうの興味も尽きませんが、中原中也記念館はそんな場所にあります。
専用の駐車場は記念館からやや離れた所にありますが、入場券の半券を見せると無料になりますので面倒がらずに利用されると良いでしょう(駐車場の前に場所の看板もありますし、料金所の方が道を教えてくれます)。
さて、記念館は湯田温泉に広い敷地を持つ医院でしたが、昭和47年(1972)の火事でその大半を消失しました。しかし、遺族の手によって遺品や遺稿が消失することなく運び出され現在の記念館の基礎となっているそうです。遺族の手によって篤く保護されていますので、展示物の一部はコピーとなっています。温泉街の通りには裏庭の入口が面しています。本当の入口は路地をちょっと曲がった所(白狐の像が立っています)にあります。モダンなコンクリーと造りの建物と「中原中也誕生之地」という石碑の建っている大きな木が印象的です。
石碑の横に植えられている立派な木は、カイヅカイブキの大木で、生家が火災にあった際に前庭に植えられており、消失を免れ現在に至っているそうです。
入口までの通路の脇には「山口」「広島・金沢」「京都」「東京」「鎌倉」と中也が生まれてからその生を終えるまでの間に移り住んだ街を示す看板が立てられています。そこには簡単な説明と関連する場所が地図によって示されているので、見ておいて損はないでしょう。
入口に入り、入場券を買います。建物の内部はそれほど広いものではありません。今回は、特別展示を行っていましたので通常の展示とはやや異なりました。その点をご了承ください。展示は、一階と二階に別れています。一階の展示室にでは、中原中也の作品原稿と彼が翻訳したアルチュール・ランボーの詩集がまず出迎えてくれます。その奥には、中也氏の人生を様々な家族の写真や展示物などで表しています。そこでは彼と関連があったり影響があったりした人の姿も見ることができます。他にも中原中也の愛用のコートなども展示されているはずなのですが、今回は特別展開催のためそれらの通常の展示は見ることができませんでした。二階へ登る階段の手前に「検索コーナー」があり、パソコンが置かれています。このパソコンは、彼の直筆原稿、写真資料などの情報を検索できるほかにも生涯をナレーションと写真で構成されたマルチメディアな形で見ることができるようになっています。
二階へ登る階段は「中也記念室」となっていて、彼の胸像が印象的です。二階は一階よりも狭く、すぐに通り抜けてしまいそうです。閲覧室は、小さいのですが机も置かれゆっくりと本が読めるようになっています。中原中也の作品だけでなく、彼に関わりのあった人の作品や中也を研究した書籍なども置かれています。有料ですがコピーサービスも行っているということもあり中原中也を深く理解する一助になりそうですね。
二階の展示室は、通常は映像、音響で構成された展示がされているそうですが、今回訪問した際は特別展の展示で、中原中也が入院した千葉の中村古峡療養所の資料が展示されていました。また、その奥にあるソファの並べられた小さな「くつろぎのコーナー」でも詩集が並べられ、読めるようになっているほか、ビデオもあり映像が流れるようです。
パンフレットを見ると記念館の周囲にいくつかの記念碑もあるようです。時間に余裕のある訪問者の方は巡ってみるのも一興でしょう。
(レポート 田辺浩昭)
●所在地:〒753-0056 山口県山口市湯田温泉1-11-21
●電話:083−932−6430
●開館時間:午前9時〜午後6時(11月〜4月は午後5時まで)
●休館日:月曜日(祝祭日の場合はその翌日)、毎月最終火曜日、年始年末(12月29日〜1月3日)
●HP:http://www.city.yamaguchi.yamaguchi.jp/bunka/etc/chuya/ (山口市のサイト)
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