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第28回

ふくやま文学館


 JR福山駅周辺に、福山城を中心として、美術館や博物館が集まる「ふくやま文化ゾーン」があり、ふくやま文学館は、その一角に位置している。城や神社が周りにあるためか、街中とはいえ緑に恵まれた環境は、暑い夏の日にも心地よい。文学館の建物は、1階が企画展示室や研修室といったイベント用施設、2階が常設展示室となっており、ゆったりとしたスペースで、のんびりと見学できる。


 常設展示は、ロビーの片側にある第1展示室が福原麟太郎、木下夕爾、伊藤整、林芙美子倉田百三など福山市周辺にゆかりの文学者の紹介、ロビーを隔てた第2展示室から第5展示室までが「井伏鱒二の世界」となっていた。展示は初版本、自筆原稿などを中心とした定番パターンが中心で、ところどころに音声ガイドが設置されている。青空文庫関係者ならば、ゲラに押してある「旧かな、正字」のスタンプに反応するかもしれない。
 「山椒魚」の世界を体験する「岩屋」型のジオラマが設けられているのは、いかにも今どきの文学館らしいご愛敬。第5展示室には、井伏鱒二の書斎を復元した部屋があり、作家の日常をしのぶことができる。書斎には立入禁止なのが、ちょっと残念だが。

 文学館や文学展に共通して言えることだが、ガラスケース内に陳列された初版本や原稿を見て興味を持ち、その作品を読みたいと思っても、現状では実現することがけっこう難しい。作品は読まれるためにあるものだから、ガラスケースの中というのは、本来あるべき場所ではないのだ。
 ふくやま文学館には図書・AVコーナーがあり、自由に利用できるとのこと。こうしたコーナーが充実して、作家の生涯を紹介するだけでなく、作品を読める環境が整備されていくことが望まれる。


アプローチの脇に立つお地蔵さん(身長約20cm)

 文化ゾーンの各施設は徒歩数分の距離にあるので、気軽にハシゴすることができる。共通入館割引券を使えば、近隣の施設を団体料金で利用できるらしい。今回は講演会の聴講と企画展が主目的だったこともあって、文学館だけで手一杯だったが、時間に余裕があれば、文化三昧を決め込むのも良いかもしれない。

(レポート LUNA CAT)


●所在地:〒720-0061 福山市丸之内一丁目9番9号
●電話:084-932-7010
●開館時間:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
●休館日:月曜日(祝祭日の場合はその翌日)、年始年末(12月28日〜1月4日)
●HP:http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/bungakukan/

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