
| 人が本をつくる動機には、色々あります。自分のためであったり、あるいは誰かに読んでもらうためであったりします。T-Timeというソフトは、その「本をつくる」という作業を簡単にできるようにしてくれました。少し頑張るだけで、誰でも本がつくれるようになったのです。 私は《Aufliteratur von Zeze》というところで、人に読んでもらうための本をつくっているので、2回に分けて、ホームページや公共的な場所で公開することを念頭に置いて、その「人に読んでもらうための本」について説明していきたいと思います。 1−1.読んでもらいたい文章 ひとえに「人に読んでもらいたい」といっても、その種類は様々です。自分の言葉を伝えたいのか、それともある作品を紹介したいのか、誰かにお気に入りの作品をプレゼントするのか。いずれにせよ、まずは人に読んでもらいたいテキストがないことには、何も始まりません。ということで、そのテキストを用意しましょう。 1−2.自分の作品を本に仕立てるときの注意 自分で作品を書くからといって、何でも適当に書けばいいというわけではありません。最終的にT-Timeで本に仕立てることが目的なのですから、T-Timeで扱いやすいように書いてやる必要があります(もしくはすでに書いた文章を、T-Timeで扱いやすいように直す必要があります)。ここでは、オンライン小説でよくある状況をふまえつつ、注意事項を並べてみます。 これだけは最低限守ってほしい点は、いわゆる原稿用紙の使い方を守ることです。オンライン小説ではしばしば反則的な書き方がありますが、T-Timeは本になるので、その決まりを守りましょう。読みやすい形を守ることは、読んでもらう人にとっても、良いことだからです。 (1) 段落と段落の間に一行空きを作らない オンライン小説で、よく次のような形を見かけます。 -------------------------- エケポーンが空を見上げると、遠くの方に一艘の飛空艇が飛んでいた。黒々とした外装は太陽の光を浴びて輝き、何十ものプロペラを回してゆっくり飛んでいる。 その背景には薄い雲が広がっている。 「いい天気だな・・・」 -------------------------- このように段落と段落の間に一行空きがありますが、こういう空きはブラウザ上では読みやすいものですが、T-Timeでは読みにくくなるので、詰めましょう。(ただし、HTMLで<P>タグでくくっている場合はそのままでも大丈夫ですが、段落間で一行以上の空きがつくるのが面倒になるので、行末に<BR>タグを入れる形に変えておくといいでしょう) (2) 段落の頭は一字空白を入れる (1)で引用した文章には、段落の頭が詰まっています。オンライン小説ではこのような形が多く見られます。ちゃんと一字空白を入れましょう。 -------------------------- その背景には、薄い雲が広がっている ↑(ここに空白を入れる) -------------------------- (3) ・・・? オンライン小説では、余韻や沈黙を表す「点々」がよく「・・・」と中黒みっつなどで書かれることがあります。これを「……」と、「…(三点リーダ)」をふたつ単位で使うように直しましょう。WindowsのIMEであれば「・・・」と打てば変換できますし、ATOKでもクリックパレットやF10の記号の中から打てます。よく使うので、わかりやすい言葉で単語登録しておきましょう。同じくダッシュも「ーー」や「--」のように書かれているのを見受けますが、これも「――」と直しましょう(同じ手法で変換できます)。 -------------------------- 「いい天気だな……」 -------------------------- (4) !!!?? 驚きや疑問を表すために「!」や「?」という記号がありますが、より強く表現するためにいくつも重ねて使うことがあります。しかし、全角で打った疑問符を縦書きにすると、次のような見苦しい形になります。 *図1 しかし、T-Timeには「縦中横」という機能がありますので、「!」「?」を二文字以上並べるときは半角で打っておくと、綺麗に並べることができます。 *図2 -------------------------- 「たわばひでぶっ!?」 -------------------------- (5) ルビは括弧でくくる T-Timeではルビ機能を使うことができますので、複雑な読みをする人名や固有名詞をルビで説明することができます。ですので、原稿の段階でルビを付けたい言葉の後に全角の括弧でくくって添えておきましょう。 -------------------------- ……一艘の飛空艇(ひくうてい)が飛んでいた。…… -------------------------- 1−3.自分の作品ができあがったら その作品がある程度の長さがあるときは、HTMLファイル形式にしておくと便利です。しかし、市販のHTML製作ソフトを使うと、余分なタグを入れられて、T-Timeで扱いにくくなることがあるので、最初はテキストファイルで書いておいて、《T2H》のような自動変換ソフトを使うとよいでしょう。 そして出来上がった(修正した)HTMLファイルをT-Timeに読み込ませて、ttxファイルで名前を付けて保存してください。これでテキストの準備は終わりです。 1−4.青空文庫のファイルを使う場合 他の講師の方が既に色々言われている通り、《青空文庫》から目的のHTMLを開いて、T-Timeとブラウザの連携設定を済ませている方は、「T-Timeで編集」を選んでT-Timeに読み込み、ttxファイルで名前を付けて保存してください。そうでない方は、いったんブラウザで名前を付けて保存し、T-Timeに読み込んでからttxファイルで保存してください。 では、次回は実際に本を仕立ててみましょう。 |