
| 1−1.準備 まず必要なのは、商品版「T-Time」あるいは「T-Time パブリッシャーズ・キット」と、エディタ・ソフト。 画像を描いたり加工したりするソフトもあれば、なおよろしい。 このあたり、詳しくは「基本装備編」をご参照ください。 素材には、青空文庫からダウンロード保存した『坊っちゃん』(夏目漱石)のHTML版を使います。 ダウンロード保存するとき、必ず html 形式(ソース)で保存してください。タグ(<BR> など、< > に挟まれた英数字。文字サイズなどさまざまな指定を行うのに使います)も一緒に保存するためです。これらのタグが、電子本化に際して強力な助っ人になります。 ファイルの名前は、私のコンピュータでは「坊っちゃん」になりました。これは原本として保存します、バックアップとして、念のため。 そして、この原本ファイルを複製したものに半角英数字で名前を付けます。ここでは「bocchan.txt」としておきましょう。この「bocchan.txt」に手を加え、電子本化を進めます。 「bocchan.txt」を「T-Time」で開きます。(*gazo-01.jpg 参照) 続いて、設定メニューの「解釈」で「CR/TAB 有効」を外します。 無用な改行が消えて、ページ数が圧縮されます。その分、ページめくりなどの処理が速く快適になります。 タグが表示されていれば、やはり「解釈」の「HTML」を選択し解除します。(*gazo-02.jpg 参照) 横書き・縦書きは、画面左上の4本線をクリックして、好みの形式に変更してください。(*gazo-03.jpg 参照) 次に、編集メニュー「環境設定」内の「テキスト編集アプリケーション」で、作業に使うエディタ(テキストエディタ)を選択します。 続いて、編集メニューの「エディタによる編集」を選ぶと、今選んだソフトが立ち上がります。 以後、そのエディタで「bocchan.txt」に修正を加えるたびに「上書き保存」し、「T-Time」のファイルメニューの「リロード」で再読込みを行い、変更が「T-Time」画面上でどのように反映されたかを確認する……という作業を繰り返していきます。 こう書くと面倒に思えるかも知れませんが、これはレイアウト調整のために不可欠の作業であり、しかも、電子本が仕上がっていく過程を一歩一歩体感できる、なかなか嬉しくて、やりがいも達成感も味わえる作業なのです。うふ! 1−2.ページ改めタグ(<t-PB>)で表紙を作る 「bocchan.txt」を、ワープロ・ソフトで開くと、冒頭がこんな具合に表示されるはずです。 -------------------------- <HTML> <HEAD> <TITLE>坊っちゃん</TITLE> <META HTTP-EQUIV="Content-Type" CONTENT="text/html;CHARSET=x-sjis"> </HEAD> <BODY BGCOLOR="#FFFFFF"> <H1><!R>坊(ぼ)っちゃん</H1> <H2>夏目漱石</H2> <BR> <BR> <BR> 一<BR> -------------------------- これを、次のように書き換えます。 -------------------------- <HTML> <HEAD> <TITLE>坊っちゃん</TITLE> <T-Time> </HEAD> <BODY BGCOLOR="#FFFFFF"> <H1><!R>坊(ぼ)っちゃん</H1> <H2>夏目漱石</H2> <t-PB> 一<BR> -------------------------- (*gazo-04.jpg 参照) <T-Time> は、「T-Time」がファイルを開くときなどの処理速度を速めるためのタグです。また、文字や柱などの基本情報を一括して設定するためのタグでもあります。 <t-PB> は、ページをそこで終了させる時(ページを改める時)に使うタグです。 続いて、章が変わる際にページが改まるように、各章末の <BR>(改行タグ)を <t-PB> に置き換えていきましょう。たとえば、 -------------------------- <BR> <BR> 二<BR> <BR> -------------------------- となっている部分(*gazo-05.jpg 参照)を、 -------------------------- <t-PB> 二<BR> <BR> -------------------------- と、書き換えていきます(*gazo-06.jpg、gazo-07.jpg 参照)。全部で11章まであります。 【注意!】<BR><t-PB> の連続にご用心! <BR><t-PB> と2つのタグが続くと、画面サイズを変更した時などに無意味な空白のページが生じることがあります。両者を併用しないよう注意してください。 最終章の後に、次のように、底本や入力者の紹介が続いています。 -------------------------- お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと云った。だから清の墓は<!R>小日向(こびなた)の養源寺にある。<BR> (明治三十九年四月)<BR> <BR> <HR> <BR> 底本:「ちくま日本文学全集 夏目漱石」筑摩書房<BR> 1992(平成4)年1月20日第1刷発行<BR> -------------------------- 本文と底本情報などとの境に、<HR>(罫線タグ)があります(*gazo-08.jpg 参照)。 代わりに、ページを改めてみましょう。 -------------------------- お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと云った。だから清の墓は<!R>小日向(こびなた)の養源寺にある。<BR> (明治三十九年四月)<t-PB> 底本:「ちくま日本文学全集 夏目漱石」筑摩書房<BR> 1992(平成4)年1月20日第1刷発行<BR> -------------------------- (*gazo-09.jpg、gazo-10.jpg 参照) 1−3.ルビ・タグ(<t-R>)を駆使してみる 「T-Time」でルビを表示する時は、たとえば、 「<!R>親譲(おやゆず)り」「<!R>無鉄砲(むてっぽう)」 といった具合に、ルビ・タグを使います。 「bocchan.txt」では、このルビ振り作業が、全漢字ではありませんが、一通りすんでいます。ありがたや! ただ、「T-Time」開発元のボイジャーでは、現在、<!R> よりも <t-R> の使用を推奨しているようですので、エディタの一括置換機能を使い、<!R> を <t-R> に置き換えてしまいましょう。 おっ! 3035個もルビ・タグがあったとの表示が! 何と凄まじい数! ルビならびに本文を入力してくれた方の苦労を偲び感謝を捧げつつ、作業を続けます。 次は、ルビ分けタグを記入していきます。 たとえば、 「無鉄砲」の「無」とルビの「む」、「鉄」と「て」、「砲」と「ぽう」 とがきれいに対応するように、 「<t-R>無鉄砲(むてっぽう)」の「(むてっぽう)」に <!>(ルビ分けタグ)を書き込みます。こんな感じです。 <t-R>無鉄砲(む<!>てっ<!>ぽう) なかなか骨の折れる作業ですが、これをしておくと、旧来の紙の本の文字組みのような、繊細で素敵な仕上がりになります。 「bocchan.txt」を「#」で検索すると、 「かげま[#「かげま」にぼうてん]」 のように、傍点付きの部分が出てきます。 これもルビ・タグで修正できます。 「<t-R>かげま(・<!>・<!>・)」 とすれば良いのです。 (<t-em style=...>...</t-em> というタグを使う方法もあります。傍線や圏点など細かい指定が可能です。「T-Time」のヘルプ・メニュー、ボイジャー・サイトの、「タグ入門」を参照してください) ※青空文庫のファイルの中には、「W3C仕様のルビ・タグ」が使われているものもあります。 1)<RUBY>漱石<RT>そうせき</RT></RUBY> 2)<RUBY>漱石<RP>(</RP><RT>そうせき</RT><RP>)</RP></RUBY> 3)<RUBY><RB>漱石</RB><RP>(</RP><RT>そうせき</RT><RP>)</RP></RUBY> の3タイプです。これは ver.2.1 以降の「T-Time」ではそのまま表示されますが、ルビの振り分けを綺麗にしようと考えるなら、上述の「T-Time」用ルビ・タグに変更した方が良いでしょう。 「<t-R>漱石(そう<!>せき)」 となります。 置換機能を使えば、そう手間はかからないはずです。 |